MY 50's STYLE

50代、飲み屋店主の生き方。

古いエッセイのなかの、酒にまつわる散文を紹介する。

前出の本の中に、酒にまつわる散文がある。

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酒豪の吉行氏。

節酒していた時期があり、バーでもトマトジュースを飲んでいた。

その際、店の女性にビールで割る飲み方を教わったそうだ。

「レッドアイ」という一般的なカクテルだが、当時はまだ知られてなかったのだろう。

恐る恐る口にすると「意外に面白い味がした」との感想。

「チャームナップ・カクテル」って勝手に呼んでいたらしい。

(このネーミングは微妙だが…。)

 

トマトジュースは血中のアルコール分を弱める働きがあるので人にも奨めるが、このカクテルを見た男性は例外なく顔をしかめたとのこと。

 

・・・・・

 

吉行氏と作家の井伏鱒二氏のやりとり。

「酒を飲むと湿疹が出て困る」という井伏氏に対して吉行氏が言う。

「日本酒をウイスキーにかえたらどうか」

吉行氏曰くウイスキーの方が人体細胞内の滞留時間がはるかに短い」

それだけ身体へのダメージが少ないのだろう。

 

それを聞いた井伏氏は、ウイスキーを飲むことが増えたそうだが、

日本酒がゆっくり時間をかけて体内を通り過ぎてゆくそのいろいろのねじれ方に趣がある

と言ったとか。

作家さんらしい、なんとも滋味あふれる表現だ。

またその鋭い感性に脱帽する。

 

 

最後に、昨夜の地震で被害にあわれた方々に、心よりお見舞い申し上げます。